介護職とは、高齢者が安心して暮らせるように、老人ホームなどの介護施設において介護サービスを提供する仕事のことです。介護職員として働く人には、仕事内容においてやりがいを求めて働く人が多いかもしれませんが、実際には、介護職員以外にも医師や看護師などさまざまな立場の人々が働いているため、それらの人々との連携プレーが複雑で、問題を生じることがあるかもしれません。
同様に、利用者である高齢者にもさまざまな人がいます。健康で身の回りのことを自分でできる利用者もいれば、認知症やうつ病を発症した利用者もいるでしょう。また、利用者の家族からは、無理な要求を言われることがあるかもしれません。単に利用者と言っても千差万別であるため、各人に合った接し方を身に付ける必要があります。このようにして、介護施設では多職種連携が不可欠であることに加え、利用者との関係、利用者の家族との関係など、介護施設での人間関係は極めて複雑です。実際にアンケート調査を行ってみても、8割を超える介護職員が、職場での人間関係に悩んだ経験を持っています。
しかし、厚生労働省の資料によれば、全体の半数近くの介護職員が50代以上であり、このことからも、多くの人が何らかの社会経験を積んでいることが伺えます。つまり、多少の人間関係のつまずきは気にせずに、ストレスもうまく解消しながら仕事に励んでいる人がいるということです。介護の職場は、辛い職場のように考えがちですが、利用者の喜んだ顔を見て嬉しくなるなど、充実感がはっきりと目に見えるため、やりがいや満足感が得られる職場であると言えます。